さて今回は第2回公演「コタツのある部屋」について紹介いたします。
主人公は中村佳子という女性。
彼女は家族を殺した罪で収監され、
刑期を終えて熊本の安アパートで暮らしています。
かつて東京でアート活動をしていた経験を生かし、
獄中で「ミヤコ」という絵本作品を出版していたのですが、
その本と主人公のミヤコの大ファンだという男と同棲しています。
実はその絵本には彼女の過去の秘密が隠されており、
女と男が物語の中にもう一度身を投じることで、
「なぜ家族を殺さねばならなかったのか?」
という最大の謎が解き明かされていく・・・というお話でした。
ちなみにこの主人公の中村佳子は
実物のナカムラ佳子とは一切関係ありません。
フィクションです。かすっている部分もありません。
これ、かなり誤解されていましたので、あしからず。
このタイトルの意味ですが、
「コタツ」は「コ立」で
カタカナの「コ」に様々な意味が込められています。
またタイトルを見てあれ?と思われた方は少なくないと思います。
そうですね。
脱出ゲームですね。
テーマは
親から子へと脈々と続いていく
負の連鎖からの脱却でした。
それを仏教思想である「因果応報」にあてはめ、
視覚的に表現することを目指しました。
しかし根底に仏教があるかと思えば、下のようなシーンもありました。 ↓ ↓ ↓
この稽古風景、何をしようとしているかというと・・・
有名な「最後の晩餐」になろうとしているのですね(写真はまだまだ試行錯誤の段階でしたが)。
キャストの数もこの絵と同じ人数をそろえていました。
ところでキャストといえば、今回の特色として
俳優や俳優志望の人間だけではなく、
ポークパンダ三歳の理念に沿って
まさに多ジャンルの人たちがひしめき合うように出演していました。
↑ ↑ 例えば「ハゴク」に引き続き森元嶺。かれは俳優としてではなく
「森元くん」としてそのまま出演していました。
地方で、例えば小劇場のような表現活動するときは、
自分がやりたい表現にそった
「俳優」を探すより、
「人間」を探した方が、
より近回りであるし、
作品はより豊かなものになるのかもしれませんね。
そのためには作家のアンテナが
どこまで広く張り巡らされているかが
必要になってくると思います。
最後に作風についてです。
「ハゴク」とはまたがらりと違ったものになりました。
公演ごとに前回のお客さんを裏切りたい気持ちはもちろんあります。
今回は・・・
芸術やそれを志す人間たちまたは
集団そのものへの欺瞞、
さらには集団が生み出す憎悪、狂気、殺意、叫び、
などの巨大な負のうねりを、
70年代後半の
ディスコちっくなリズムに乗せてお届けしました。
またその中で浮き彫りになる
人間個体の罪深いまでの「自意識」を
コミカルに表現しました。
では、稽古風景の写真を掲載していつものように締めとさせていただきます。
何の練習か、いまいちわかりませんね。それでは。