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では最後に未来の予告などをして

過去の整理シリーズを終えたいと思います。

ポークパンダ三歳の第3回公演のタイトルは・・・
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「謝です。

これ、実はかなり早い段階で脚本は完成しており、

しかしながらやむにやまれぬ事情で数年保留になっていたものでした。

この第3回公演を一区切りとし、

ポークパンダ三歳は新たな方向に向かう…予定です。

ちなみに上演は来年になると思います。

皆様、その時はどうぞよろしくお願いします。







コタツのある部屋チラシ2
さて今回は第2回公演「コタツのある部屋」について紹介いたします。

主人公は中村佳子という女性。
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彼女は家族を殺した罪で収監され、
刑期を終えて熊本の安アパートで暮らしています。
かつて東京でアート活動をしていた経験を生かし、
獄中で「ミヤコ」という絵本作品を出版していたのですが、
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その本と主人公のミヤコの大ファンだという男と同棲しています。
実はその絵本には彼女の過去の秘密が隠されており、
女と男が物語の中にもう一度身を投じることで、
「なぜ家族を殺さねばならなかったのか?」
という最大の謎が解き明かされていく・・・というお話でした。

ちなみにこの主人公の中村佳子は
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実物のナカムラ佳子とは一切関係ありません。
フィクションです。かすっている部分もありません。
これ、かなり誤解されていましたので、あしからず。


このタイトルの意味ですが、
「コタツ」は「コ立」で
カタカナの「コ」に様々な意味が込められています。

またタイトルを見てあれ?と思われた方は少なくないと思います。
そうですね。
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脱出ゲームですね。

テーマは
親から子へと脈々と続いていく
負の連鎖からの脱却でした。
それを仏教思想である「因果応報」にあてはめ、
視覚的に表現することを目指しました。
しかし根底に仏教があるかと思えば、下のようなシーンもありました。 ↓ ↓ ↓
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この稽古風景、何をしようとしているかというと・・・
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有名な「最後の晩餐」になろうとしているのですね(写真はまだまだ試行錯誤の段階でしたが)。
キャストの数もこの絵と同じ人数をそろえていました。

ところでキャストといえば、今回の特色として
俳優や俳優志望の人間だけではなく、
ポークパンダ三歳の理念に沿って
まさに多ジャンルの人たちがひしめき合うように出演していました。
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↑ ↑ 例えば「ハゴク」に引き続き森元嶺。かれは俳優としてではなく
   「森元くん」としてそのまま出演していました。

地方で、例えば小劇場のような表現活動するときは、
自分がやりたい表現にそった
「俳優」を探すより、
「人間」を探した方が、
より近回りであるし、
作品はより豊かなものになるのかもしれませんね。
そのためには作家のアンテナが
どこまで広く張り巡らされているかが
必要になってくると思います。

最後に作風についてです。
「ハゴク」とはまたがらりと違ったものになりました。
公演ごとに前回のお客さんを裏切りたい気持ちはもちろんあります。
今回は・・・
芸術やそれを志す人間たちまたは
集団そのものへの欺瞞、
さらには集団が生み出す憎悪、狂気、殺意、叫び、
などの巨大な負のうねりを、
70年代後半の
ディスコちっくなリズムに乗せてお届けしました。

またその中で浮き彫りになる
人間個体の罪深いまでの「自意識」を
コミカルに表現しました。

では、稽古風景の写真を掲載していつものように締めとさせていただきます。
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何の練習か、いまいちわかりませんね。それでは。



今回は本公演について紹介いたします。
本公演は実験ライブと何が違うのか?ということに関して3つあります。

①今までのいろんなジャンルでの芸術活動、
  また実験ライブで得たデータをふんだんに活用し、
  未開のジャンルを創造することを目指します。

②オリジナルの台本を活用し、綿密な稽古計画、
 情宣計画をつくります。

③男女老若問わず、観たすべてのお客様が楽しめる      よう出来る限りの配慮をします。



では第1回公演の「ハゴク」から紹介しましょう。
このタイトルからピンときた方はいらっしゃるかと思います。
こちらですね。
↓ ↓ ↓
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緒方拳主演映画の「破獄」です。
「ハゴク」というタイトルには実は様々な意味がありますが、
その中の一つが「脱獄する」なのです。

物語には人生に行き詰った3人の中年男性が出てきます。
実は児童文学「ズッコケ三人組」はこの3人をモデルにして書かれていた、
という奇想天外な設定があるのですが ↓
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それは置いといて、
未来が見えず、思い出にしがみつく中年たちが再会し、
最後の冒険をするために足掻くのですが、
いったい彼らにとっての「牢獄」とは何だったのか?
というテーマがありました。

宣伝用の写真は「牢獄」のイメージに沿って、
「ちょっぴりスタイリッシュな囚人たち」というコンセプトで撮影しました。
それではモデルになった人を一人一人ご覧ください。
↓  ↓  ↓
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まずは高木優一郎。福岡在住
井上ゴムとは10年以上一緒に作品を創りつづけており、
要所要所でポークパンダのブレーン的存在。
俳優としても極稀にしか出演しないにもかかわらず、
いまだに観客から絶大な支持の声があります。
劇団きららの「星の王子さま」では飛行士役に抜擢され、好演しました。

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お次は冨川優。
現在熊本だけでなく、県外でも俳優として活躍しています。
この時ほぼ舞台の経験がなかったにもかかわらず
一番台詞の多い狂言回し的な役に選ばれ、
唯一の若者だったのもあり、稽古で苦しんでいる姿が多くみられました。
しかし、彼のカラーなくしては成立しなかったでしょう。

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井上ゴム。
作・演出・出演。
ポークパンダの代表。
主演の山内麻莉からは出演しない方がいいといった
厳しい意見にさらされていました。

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山内麻莉。
日本語読めない担当。読めないのに主演女優。
1人だけ衣装のイメージは弁護士です。
ポークパンダ三歳は、彼女から始まったといっても過言ではありません。
太陽のような彼女は、このユニットのメンバー、そして何より観客を明るく照らし、
全員からこよなく愛されていました。
演劇的なスキルは何も持っていない彼女ですが、
きっと神様にこそ一番愛されていたのでしょう。
現在、結婚、出産、育児のため、活動は無期限休業中。

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坂本ゴンタ。
ポークパンダの「油」担当。
初めて台詞が多く、しかも最も困難な役にチャレンジしました。
稽古中最も苦しんだのは彼ですが、
本番中最も観客の笑いを誘い、場を温めたのも彼です。

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森元嶺。
突然「舞台美術」担当として途中から座組みに加わった彼ですが、
その後山内麻莉に次ぐ、ポークパンダのキーマンとなりました。
彼の作る舞台美術はすべて「作品」であり、
その鮮やかさ、確かさ、突飛さには観客が圧倒されていました。
また彼の「俳優ではない存在」そのものが、のちに舞台上で活用されていくことになります。
芸術で食べていける数少ない存在。

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最後におがたひろのり。
ポークパンダの「音楽」担当。
音響効果としてではなく「音楽家」として作品に参加しており、
その後もオリジナリティあふれる作曲を次々に手掛けました。
その異質さは作品と時にマッチングしながら、時に喧嘩しながら、
さらなる躍動感を加えることに成功していました。

では最後に、稽古風景、本番会場での風景、その他もろもろご覧ください。
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ハゴク
完成したパネル↑ ↑



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↑ ↑ ↑
橋本知佳さん。助演とブログを担当していただきました。
そしてパンダ君として謎だらけの出演も。

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何にやら楽しそうですね。
ではまた次回。









さて、長々と実験ライブについて書きましたが、
ポークパンダ三歳が考えるライブにおける3つの狙いを最後に紹介します。



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まずは1つ目。
①時間・人間の省略
きわめて短い時間で面白さを追求できるのならば、
仕事の忙しさや県外の壁を乗り越えて、
様々な人が一緒に一つの作品を創ることができる
というメリットがあります。
また、例えば演出や絶対に現場にいなければならないとされている人たちが不在でも
作品を創れるという方法論が確立すれば、
不在に気兼ねすることなく、より多くの作品を世の中に出すことができるのではないでしょうか。



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次は2つ目。
②衝動性の追求
①の時間の削減に関わることでもあるのですが、
思い立ったら、即形にして発表することを重視しているということです。
創りたいものを、創るためだけに、創るということです。
つまり悪い意味で
黒字を出すことや、観てくれるお客さんへの配慮はほとんどないといってもいいかもしれません。
また思い立って発表するまでの時間が1か月前後なので、
ほとんど情宣ができないというデメリットもあります。
実はこのブログは、
少しでも情宣の足しにならないかということでスタートしました。



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最後の3つ目
③今までなかった表現の追求
これに関しては②と関連していますが、
例えばお酒の席などで「こういう〇〇って、たぶんまだないよね」という話題が
笑い交じりにでたとします。
どこにでもある光景だと言えます。
しかしそれが面白いという直観さえあれば、
どんなにくだらないことであろうが、
どんなに費用がかかろうが、
それを形にするために動きます。
また新しい表現について、
常に表現者同士でディスカッションしていく中で、
互いの知識や経験を惜しみなく伝えあい、
繰り返し検証していくことで深め合うことができます。



・・・
とまあ簡単に、こんな感じですが、いかがでしたでしょうか?
次回は本公演について触れたいと思います。







さて前回は

ユニット『高松虎の会』
が誕生したところまで書いていたと思います。
お酒の席での何気ない会話の中で
このような表現ユニットができることはそう珍しいことではないのではないでしょうか。
しかし、
このユニットは最初から大きな問題をはらんでいました。

一つは
高松よしのり氏の滞在期間が
一か月間しかないということ。


そしてもう一つは
演出をつけるべき井上ゴムが

週に1度か2度ほどしか稽古に参加できず

さらに本番の日もほぼ参加できないということ。


前者の問題で引き起こされることは
脚本の濃密さに対して
稽古日数・準備に関するすべてが足りないということでしたが、
細かいことは考えず、

とりあえず高松氏がセリフを
覚えようということになりました。

本番の会場や出演者も
練習しながら確保すれば

なんとかなるはずだということになり、

情宣にいたってはまったくできないけれども、

それもやむなし、となりました。


後者の問題に至っては一見前者よりも致命的なものですが、
そもそも演出が不在だと
表現は追及できないのかどうかを

みんなで検証しようという
考え方と気概に変わりました。

具体的には演出不在の日は役者たちが
自主的に稽古をし、

演出は来た日に一気に内容を整え、

次に来るまでに役者がクリアしておくべき課題を提案する、

という形式でやってみることになりました。


しかし、
いざ練習が始まると、
その大変さを思い知らされない日はありませんでした。
膨大な台詞の数、

解釈の難解さ、

それを表現することの難解さ、

そして助演の前では露骨に手を抜く
高松氏の癖の悪さ、

それらすべて演出がいれば早急に解決するかもしれない問題が次第に充満していき、
役者、助演ともに迷走を繰り返し、肉体、精神共に追いつめられていったようです。

しかし
少しずつ進むべき道が明らかになっていくにつれ、
稽古はとてもクリエイティブで楽しい空間になっていったようです。
それにちなんでキャストも少しずつ決まっていき、
最終的に高松氏の相手役は3人の役者による
トリプルキャストとなりました。

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最初に高松氏の相手役に選ばれた坂本ゴンタ。ポークパンダ三歳好きには言わずと知れた存在。

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↑ ↑ ↑
次に選ばれたのは池崎友紀。プロの人形劇団の方です。

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↑ ↑ ↑
最後に寺川長。彼の存在がこの作品の方向性を決定しました。

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↑ ↑ ↑
稽古風景。高松氏、なかなか台詞が入りません。しかしこの役はおそらく彼にしかできません。

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↑ ↑ ↑
急遽、生演奏が入ることに。演奏は超絶ギタリストのロキヒーア闇巫女。

演出の思い付きで、構成や内容がどんどん変わっていき、

それらが不思議に溶け合ってきたころ
本番になったわけです。
今回に関しても本番関係の写真は一切ありません。
ちなみに本番の3日間のうち、
演出がいたのは楽日のたった1日のみ。

いったいどのような作品になったのか、
本番は成立したのかどうか。
成立したとしたらいったいどのような工夫を凝らしたのか。
ぜひ、皆さん想像してみてください。


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